学長からのメッセージ

 本学の母体である柴田学園は今年創立95年目を迎えました。創立者柴田やす先生が弘前和洋裁縫学校を創設したのが始まりです。
 今日本が抱える人口減少への対応として女性がさらに一層社会へ進出することを議論のテーブルに載せていますが、大正時代に先生が開学を決意されたのは、いち早く女性の自立と地域社会への貢献にありました。また、「教育即生活」の建学の精神は、人と人が同じ環境に集い交わりながら自ら考え問題を解こうと努力する姿勢を先生自ら実践し、その後ろ姿で静かに諭した若者たちへの指針です。
 高校卒業後さらに学ぼうとする皆さん。近年の目を見張る情報化社会をどう感じていますか。今、自分の部屋にいながら世界中から携帯電話やパソコンなどを介在して誰とも会うことなく自分がほしい情報や品物を手にしていると思います。それは顔を知らない人とメッセージを交換するなど、双方向のやり取りが簡単にできる現代社会を動かす目に見えないテクノロジーです。
 そういった電脳空間でのリテラシーは今や必要不可欠となっていますが、果たしてそのことだけで私たちは健全な社会生活を営めるのでしょうか。それだけに頼りきったことによる歪みを私たちはよく耳にしまた感じています。その問題を解決する手立ては、人と人が直接触れ合い、その表情やニュアンスから得られる心模様しかないと考えます。人それぞれの意見や感情を知り、時に共感しまた反発することによる実体験こそが人生の豊富化につながります。
 本学の2年間の短大生活で、現代社会が抱える二面性を良く理解し、多くの友人と交わり、社会が求める知識と能力を養うことができるよう学業はもとより学友会行事や地域活動に励み実り多いものにしていただきたいと思います。